第13章 12★
食堂へ入った瞬間
「サンジ!肉!!」
「オレ魚!!」
「わたあめ!!」
「順番に騒げクソガキ共!!」
一気にいつもの船の空気へ引き戻される。
さっきまでの静かな熱が嘘みたいだった
サンジは慣れた手つきで鍋に火を入れながら、ちら、と一瞬だけみかを見る。
その目だけがまだ少し危険で、みかは慌てて視線を逸らした。
その時
「……あ?」
低い声が廊下の奥から聞こえる。
振り向くと、ゾロがしかめ面で立っていた。
服には砂埃。
明らかに長時間さまよっていた姿。
サンジの眉がぴくりと動く。
「クソマリモ、テメェどこ行ってたんだよ」
「それはこっちの台詞だ」
「島ひとつで遭難してんじゃねェ!!」
「迷ってねェ」
「説得力ゼロだろうが!!」
いつもの言い合いが始まって
船の空気が、一気に“日常”へ戻っていく。
でも。
料理を盛りつけながら、サンジの視線だけは何度もみかに向いていた。
——“今夜”を忘れていないみたいに