【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第7章 5
ある夜の深夜一時。
夏の夜は生ぬるく、アスファルトに昼間の熱気がまだ残っていた。二人は並んで歩く——といっても、爆豪が半歩前を歩き、時折振り返って透がちゃんとついてきているか確認する、という形だったが。
スウェットにサンダルのラフな格好。コンビニの自動ドアが開くと、冷房の風が心地よかった。
「何買うんだ。」
「アイス。」
アイスのケースの前に立つ透を横目に、爆豪はまっすぐドリンクコーナーへ向かう。迷いなくコーラを二本掴んだ。
「爆豪くんはどれたべる?」
振り返りもせず。
「いらねぇ。」
「ふーん。」
透は複数個のアイスを手に取る。
透がアイスを選んでいる間、爆豪はレジ横のホットスナックのショーケースをちらりと見た。
ぼそっと。
「……からあげ棒。」
「おーけー。」
アイスとコーラと唐揚げ棒を買い上げ、店を出る。夜空が澄んで綺麗だった。透は買った棒アイスを、爆豪は唐揚げ棒を食べながら帰路へつく。
帰り道には、ブロックの上を歩く透を、落ちないように肩を貸しながら歩く爆豪だった。
そんな様子を、偶然居合わせた轟が、遠くから見ていた。
コンビニ袋を手に提げたまま足を止めた。街灯の下、肩を貸し合って歩く二人。あの距離感は——ただの同級生じゃない。
「……。」
特に驚いた様子もなく、そのまま反対方向へ歩き出した。
そんな轟に気付くことはないまま、二人は家へ着く。