【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第3章 0
耳朗がイヤホンジャックに指を絡め、思い出すように問う。
「けど本当にビックリ。結婚するんじゃないかってくらい、仲良く見えたんだけど。」
「そうそう!私もそう思ってた!クリスマスとかバレンタインとか、いっつも二人でいたじゃん!」
「あの先輩、卒業してからも雄英に顔出してくれてたよね?透ちゃんに会いに来てたんじゃないの〜?」
芦戸と葉隠の無邪気な追撃が続く。
耳郎は自分で振った話題のわりに、少し申し訳なさそうに片耳のジャックをくるくると指に巻きつけていた。
心操は静かにグラスの縁を指でなぞりながら、視線だけを透へ向けた。聞くでもなく聞かないでもない、絶妙な間合いを保っている。
その時、会場前方で飯田が咳払いをひとつ。マイクを手に取り、「えー、それでは皆様、僭越ながら——」と声を張り上げた瞬間、切島が「待ってましたァ!」と叫び、蛙吹が「ケロ、始まるわね」と冷静に応じた。
場の意識がそちらへ流れかける。
だが爆豪だけは飲み干したグラスの向こうから、変わらず透たちのテーブルを
——正確には透を、静かに見ていた。