第8章 再編、そして偽りの王都
リヴァイ班が消滅したその日から、私の所属は暫定的にハンジ班へと移された。
「……悪いね、ノア。リヴァイは当分動けないし、君を一人にしておくわけにもいかないからさ」
ハンジさんは無理に明るく振る舞うこともせず、淡々と事務作業をこなしながらそう言った。
兵長は現在、負傷した足の治療と、エルヴィン団長との密談で姿を見せない。
かつてペトラ先輩やオルオ先輩たちがいた、あの騒がしい空間はもうどこにもなかった。
ハンジ班での私の役目は、ストヘス区で行われる「ある作戦」の補佐だった。
エレンを王都へ移送する護衛の裏で、憲兵団を巻き込んだ大掛かりな罠を仕掛けるという。
「君の冷静な目は、こういう精密な作戦の時に助かるんだ」
ハンジさんにそう言われても、私の心はまだ巨大樹の森に置き去りにされたままだった。
胸元にある青い石のネックレスが、動くたびに肌を冷たく撫で、私が生き残ってしまったことを突きつけてくる。