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ヒロインを降りたら、君がいた 【ヒロアカ 爆豪(緑谷)】

第1章 君の隣には彼女が相応しいから…


「……だって、あいつ、私のこといじめてたんだよ? 小さい頃……」



「それ、典型的な『好きな子ほどいじめたい』ってやつじゃん。ガキかよって感じだけど、あいつの場合はマジでそれだったんだよ」


響香が冷めたお茶をすすりながらどこか同情しながらも、可笑しそうな顔で私を見た。


「、あんたはさ……自分が思ってる以上に、あいつの『特別』なんだよ。あの自尊心の塊みたいな男が、何年も片想いこじらせてたんだから。……相当、覚悟決めて言ったんじゃない?」


二人の口から語られる勝己は、私の知っている乱暴な幼馴染でも、前世で見ていた姿でもなかった。


ただ一人の女の子を想って、不器用に、でも一途に時間を積み重ねてきた、一人の男の姿だった。


上鳴と響香の話を聞けば聞くほど、私の心臓の鼓動は早くなっていく。



「……みんな、知ってたんだ……」



呆然と呟く私の脳裏にあの夜の耳の端を赤くして「俺だけ見てろ」と言い放った勝己の顔が鮮明に蘇った。



「そうだよ。が困ってるとき、真っ先に気づくのはいつも爆豪だったし。あいつ、口では『邪魔だ退け』とか言いながらも、いつもを守ろうとしてたよな」



上鳴が笑いながら枝豆をつまむと、響香もそれに深く頷いた。



「あんたが落ち込んでた時もさ、あいつずっと近くにいたでしょ。他の奴が声かけようとすると『っせぇ、散れ!』って追い払って。結局、あんたが泣き止むまであいつがそばにいたよね」


言われてみれば、そうだ。
前世の記憶に振り回され出久との恋に悩み、物語の「正解」を探して独りで泣いていた時。
いつも、私の視界の端には勝己がいた。
厳しい言葉を投げかけながらも、私が本当に壊れそうな時には彼は必ずその大きな背中で、外からの風を遮ってくれていた。



(……いつも隣にいた「勝己」を、私はちゃんと見てなかったんだ)



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