第3章 色づいて、舞い踊る
イルミネーションもラテアートも一先ず横に置いて、一番考えなきゃいけないのはどう昇格するかだ。
ポイントが高い相手を片っ端からなぎ倒す?
いやいや、反対になぎ倒されるわ、却下。
じゃあ逆に低い相手を確実に仕留める?
もらえるポイントが少ない上に、姑息すぎるからこれも却下。
んー。
んー。
やっぱ互角でやれる相手を地道に探して上がるしかないよね。でもそれだと約束の来週までに間に合う?ていうか、そもそもなんでこんなあたしばっかに厳しいんだあの二人は。なんか恨みでもあるの?思い当たる節なんて……。
ありすぎて怖い。回想のように巡った思考は出てくる出てくる自分の荒さにちょっと引くほど。
聞く耳なんて貸してやるもんかと威嚇し続けた自分の態度と、散々バカにした口ぶりに寒気がした。
とりあえずあれよね。ここは一応下手に出ておいてベテラン2人の指示を仰ぐのが賢明よね。そう思ったら、素晴らしいタイミングで端末が震えた。画面を見るとベテラン2人のうちの1人から。
「もしもし」
「おまえ今どこ?」
「家の近所のカフェにいますけど」
「じゃあ今すぐ本部集合な」
「え、なんで?落ち合うの夕方からですよね?まだ2時間もあるのに」
「俺がヒマだから。模擬戦の相手してやるよ」
「………」
「じゃ、そう言うことで。さっさと来いよ?」
自分の要望を伝えるだけ伝えてソク切りですかそうですか。
カップの底が見えそうになってたエスプレッソを一気に流し込んで、端末を鞄の奥の方へと無理やり押し込めてから渋々席を立つ。
これで行かなかったら太刀川さんどうするんだろ、怒るかな。怒ると言うより、端末の着信履歴が全部あの人の名前で埋め尽くされそうな気がする。想像したらある意味怖くてやめた。
それにドタキャンする度胸なんてそもそも持ち合わせてないし。伝票を引っ掴むように持って会計を済ませて、ごちそうさまでした、そう口にするより早く、伸びてきた腕はさっきの男の子のそれ。