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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第2章 迷宮のダンジョン



「おい」
「なんですか」
「拗ねんなよ」
「怠いから横になりたかっただけです」


あからさまに視界から消したのはまずかったかもしれない。好意を無下にしたことに少しだけ罪悪感が湧いた。だけど太刀川さんの声に笑いを堪えるような音が混じってるから怒ってはいないと思う。


「おい望月、これ見てみろよ、しし丸の格好すげー面白いぞ」
「え、な、………ひぃっ!?」
「よーし、ひとまずこれでおーけー」
「つめっ………た」
「引っかかるお前が悪い」


愛猫の可愛さを毎日ウザいぐらい語りまくったツケがまわったのか、逆手に取られて何の警戒心もなく、つい後ろを向いてしまったあたしはどんだけ間抜けなんだ。

振り返った瞬間、間近に太刀川さん。その距離にびっくりする間もなく、前髪を手のひらで掬われて、額に青いジェルを貼られた。

その手際の良さに、きっと拒否ったそばからどうやって貼り付けてやろうかと考えてたんだ、唇の端を持ち上げて、してやったりな笑い方をするこの男は。とんだ食わせ者だ。


「熱は?」
「朝計ったら8とか6とか訳わかんない数字見えたんでそっから放置したまんまです」
「それぐらいちゃんと計れよ。朝よりはマシんなってんの?」
「あんま変わってない、かも」


ベッドの脇で胡座をかいたその足の中で、いつのまにか丸まって鎮座するしし丸の頭を撫でながら、呆れたような表情を無遠慮に向けられる。

もっかい計れよと言われて無言を貫くと、お前はホントに強情だよなと盛大なため息が聞こえた。


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