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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第1章 シークレットメロディ



「ボーダーになる気、」
「ないですよ」
「だよねぇ」
「分かってるなら聞かないで。そんなことよりさっきのあれ、説明してくれないなら帰ります」
「それは困るなぁ、かと言って全部も話せないんだけど」
「じゃあもういいです、話してくれなくても」


鬼の形相、とはまさに今のコイツのことだ。当の本人は冷静を装って対応しているつもりでも、こめかみの青筋までは隠せてない。
眉間のシワも深くして、目尻を吊り上げる望月の表情に、ここまでさせてしまう迅は一体全体何をしたんだ。
そそくさと自分の鞄から財布を取り出して千円札を数枚テーブルに叩きつけるみたいに置いた彼女が立ち上がる。

太刀川さん、すいません。
大人気ない行動には自覚があるのか、俺を見た望月は少しだけ表情を和らげて謝罪をして。そのまま店の出入り口へと足を運んだ。


「おい望月!」
「大丈夫だよ太刀川さん。無事に家まで帰れるから。それに今は追いかけないほうがいい」
「お前ね、あそこまでおおっぴらに話すんなら最後まで説明してやれよ。そのつもりで来たんじゃないのかよ」
「うん、そうだったんだけどね。今日話すと行ってほしくないほうに向いたから進路変更?」


引き止める隙も与えない望月の背中はあっという間に扉を潜って見えなくなった。あーあ、怒らせた。どうすんだよあれ。
呆れを通り越したようなため息と共に説教じみた言葉も投げつけると、案の定の返しを口にする。
それにしたってもっとこう、言い方と言うかやり方があんだろ。
ただでさえ顔を合わせた瞬間から、がちがちのガードで構えまくってたのに。

行ってほしくない未来とやらを訪ねてみれば、んー、ボーダーにならない、とかかな。それはかなり困るから。と全く困った様子もない表情が噛み合わなさすぎる。


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