第20章 ゴローさん
その後、先生や自分の親に相談をした。先生は、スクールカウンセラーを伴って、Aちゃんの家に行ってくれたようだったが、結果、それから、私はAちゃんには二度と会えなくなることになった。
部屋に、Aちゃんの母親と、その恋人の腐乱した死体があったのだ。
Aちゃんは「ゴローさんが殺した」「勝手に死んだ」と言ったが、胸に刺さった包丁からはAちゃんの指紋が検出されたそうだ。結果的に、Aちゃんは殺人の容疑で捕まり、精神鑑定の結果、医療少年院に行くことになったようだった。
おそらく、Aちゃんは「ゴローさん」に「父親が死ぬように」と願ったのではないだろうか。それが、あの形で叶った、ということではないかと、私は思っている。
あの、木の向こうから見ていた、女性の顔・・・。
あの顔は、後になって思えば、やつれ果てたAちゃんの顔にそっくりだった。