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かるら怪談

第20章 ゴローさん


居ても立っても居られず、私はAちゃんの家に直接行ってみることにした。

一応病気だというので、果物をお見舞いに買い、Aちゃんの家を訪ねた。Aちゃんの家の呼び鈴を2度3度鳴らす。
案の定、出てこなかった。
それでも、人の気配はするので、なおも、押してみた。

5回目くらいにガチャリと音がして錠が開き、扉が細く開いた。戸口にいたのはAちゃんだった。
Aちゃんは訪ねてきたのが私だとわかると、すぐに戸を開けてくれた。顔はひどくやつれており、目が落ちくぼんでいた。扉を支える手もひどく細くなっているようだった。ろくに何も食べていないような感じだった。

私はAちゃんに促されて、家に入った。その時、ムッとするような、生ゴミと鉄錆が混ざったような異臭。

「Aちゃん一体、どうしたの?」
私が聞くと、Aちゃんは例のニタリという笑顔を見せた。
「ゴローさんが来たの」
ひどい臭い中、私とAちゃんは小一時間ほど話をしたけど、Aちゃんの言っていることはなんとも支離滅裂だった。

「ゴローさんが来た」
「あいつが飛んでいった」
「ママも喜んでいる」
「ママも同罪」
「やったんだ」
などなど。

私は、とにかくAちゃんを病院につれていかなければと思った。何か心の病気になったのだと思ったからだ。でも、なんと言っていいかわからない。母親の所在を聞くと、ただ、ニヤニヤとするばかりで教えてくれない。
とりあえず、誰か大人の助けを借りなければ始まらないと思い、私は、一旦家に帰ることにした。
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