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かるら怪談

第19章 坂道


そう思い、振り返ると、C子が車の脇に立っているのが見えた。しかし、妙なことに顔が見えない。顔のところがまるでモザイクがかかったようだ。深夜のテレビの砂嵐のように、ノイズが走っているようで、よく見えないのだ。目をこすってみてみたが、同じだった。戸惑っていると、Bが運転席から降りてきた。
「おい、早く・・・」
降りてきたBを見て、息が止まりそうになる。Bの首が90度横に折れ曲がっていた。

Aは『ヒッ』と声にならない悲鳴を上げ、坂を駆け上り始めた。後ろからD子が追いかけてくる。D子は右手を振り回しながらAを捕まえようとする。振り返ると、追いつかれるまであと一歩というところまで走ってきていた。Aはもつれる足を必死に立て直して走りに走った。

息が切れて、もう走れない・・・と思った。

Aが、目を覚ましたのはこの瞬間だった。

ここ、どこだよ・・・。
先程までのことは夢だったのか、と妙に納得した。見知らぬ白い天井が目に映る。頭が痛く、足はしびれていた。身体を起こそうとすると肩が痛かった。

ベッドは妙に硬く、壁もすべて白塗りで、薬品の匂いがした。
どうやら、病院のベッドの上のようだった。
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