第6章 つくり話
そして、あの事件から2ヶ月たった後、夏休み直前に、B子は退学した。
「病気で社会復帰できなくなったらしい」というのがもっぱらの噂だった。
そして、A子自身も夏休み明けに親の都合とやらで引っ越しをしてしまったのだ。
実は、B子が学校をやめたあと、私は一度だけA子に聞いたことがある。
「あの話、本当だったの?」と。
このときの私は『嘘に決まってるじゃん』とか『信じる方がどうかしてるよね』みたいな答えを期待してた。けれども、彼女の返事は私の予想と全く違うものだった。
私の問いに対して、彼女はひどく嬉しそうにニヤリと笑って、こう言ったのだ。
「ざまあみろ」
と。
高校を卒業して随分経つけれども、あの時の彼女の顔はまだ脳裏に焼き付いている。
そして、結局、あの話が本当だったのかウソだったのか、それもわからないのである。