第2章 ピンクレディとアールグレイ
「で?で?その後は?どうなったの?」
「どうもなってないよ、1時間ぐらいで解散したし」
「違うってば、その日じゃなくて、そっから先!連絡先変わってない?ってさっき聞かれてたでしょ!なんかあったんじゃないの?」
カフェオレとアイスティー、パンケーキを間に挟んだ、2人掛けのテーブル席。カフェに着く前から質問責めをくらった私の、目の前の彼女は身を乗り出す勢いで、早くその後を聞かせろと催促してくるけど、残念ながら期待に応えられるような展開も、少女漫画顔負けな展開もなにもない。
連絡先だって、何度か遊んで成り行きで交換しただけだし、疎遠になってからは1通も送り合うことなく、今では非表示設定枠に放り込んでるし。
「ほんっとになんもない、ただの友達だよ」
「えーつまんない」
「つまんなくても事実だし。……それより話したいこといっぱいあるって言ってなかった?」
「そうそう!来週末空けててほしいの!今いいなーって思ってる人と飲みに行こうってなって、それならお互いの友達も誘おうってなったから」
ただ、強いて言うなら当時の彼の幼馴染に言われたことがある。私と研磨くんの、見た目も性格も真逆なのに、馬が合うのは珍しいって。
あの研磨がギャルと普通に会ってることそのものが、太陽が西から昇るレベルの事件だって。褒めてるのか貶してるのか分からない、絶妙に胡散臭い笑顔で。
きらっきらの瞳で、気になる人がいると話す彼女が、見せてくれたスマホの中身で絶句。彼女の隣に写るのは、頭の中で具現化した胡散臭い笑顔の幼馴染。かっこよくない?そう聞かれて、私の中で太陽が西から昇るレベルの事件が今まさに起きようとしていた。
世界が狭すぎるんじゃないでしょうか?