• テキストサイズ

【HQ】アイミスユーの後遺症【孤爪研磨】

第7章 子猫のふりして虎は笑む



「そう言うところ、花衣は昔から変わらないね」
「そう言うところって?」
「ファミレス行っても居酒屋行っても、いつも片付けてる」
「あー、」


無意識に出ていた癖のような行動は、単に店員が後で片付けやすいかなって思ってやってるだけで、特に深い意味はない。洗った食器を水切りラックに伏せていれば、隣に立った研磨くんが乾いたタオルで拭き上げていく。

ほんとこの人、周りのことをよく見てるなと視線を移せば、現在進行形で私のことを見ていて危うく肩が跳ねそうになる。口の端は僅かに上がっているのに、射抜くような、見透かすような。それでいてどこか慈しむような強くて優しい目に耐えられず、咄嗟に自分の手元へ戻した。

え、何、なに今の。
なんでそんな顔してるの。
なんで、そんな、



___もし研磨が友達以上に思ってたらどうする



黒尾さんが私に向けた茶化した言葉と研磨くんの表情が重なったら、顔に熱が集まるより先に暴れ出したのは胸のほう。どくんと一際大きな波が、全身を巡っていく感覚になった。

落ち着け、落ち着け私。そう思えば思うほど反抗心を剥き出しにした心臓は、猛スピードで血液を送り出す。雷が落ちたみたいだった、そう世間で言われている言葉を何故か今思い出して、そんな体験したくなかったと、頭を抱えたくなった。

誰だよ、友達以上が嫌じゃないって言ったやつ。どんな表情が見れるのかときめいちゃうって言ったやつ。

/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp