• テキストサイズ

Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】

第3章 木漏れ日と真昼の光路図



「お、………お?」


そんなダサい思考が回り始めた頃、同じ音のはずなのに意味合いの全く違う声に違和感。
エンジンの視線を追った先、店の前の通りわずか数十メートルの距離に見知った姿。傘で隠れた表情はよく見えないが、雰囲気でわかる。
と、その隣には見慣れないもう一つのシルエット。

店先へと距離が近づき、傘を畳んだ彼女の表情は、俺が最初に見たあの顔によく似ていた。


「おいおい、なーんか空気よくねぇな」
「喧嘩でもしとんじゃろ」
「あれはどう見ても喧嘩じゃねぇだろ」
「なんで分かるん」
「長年の勘ってやつ?」


あー、長年色んな女へと渡り歩いた経験ならエンジンらしい。妙に納得していれば、スイングベルの鳴る音。


「こんにちは」
「おー、いらっしゃい」


つい今まで見ていた、窓ガラス1枚隔てた向こう側の空気感とは真逆の表情でいつもの席に座った。


「来て早々で悪いが、ここで花衣ちゃんに3択問題」
「なんですかそれ」
「今の男だれ?1.ストーカー、2.ただのナンパ、3.それ以外だけどそれ以上の相手、はい答えて」
「やっぱり見られてたか」


困った、白旗、お手上げ。そのどれにも当てはまるように口元だけで笑う彼女は、出されたグラスに一度だけ口を付けて、そうして静かに息を吸う。


/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp