第11章 ホメオティック遺伝子/シリアス
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物事は継続性を維持するものだ。
それからも、特に会わないままの日は続いた。
焦りや寂しさとまでは言えないまでも、何となくの違和感があるのは変わらないままだった。
例えば通学の途中とか、下校のタイミングとか、ふとした予定の空き時間だとか、そういう時に自然と近づいていたものがパタンと止んでしまった。
繭には、そんな風に感じられるのだ。
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時間の流れはあっという間で、更に数日が過ぎてしまった。
そして、ようやく久々に前方に見覚えのある凛の後ろ姿を見つけた。
「……」
抱いた感覚は仮説確定に対する達成感なのか、安堵なのか高揚なのか繭自身もよくわからなかった。
消えた訳でもいない訳でもないし、ズレたタイミングがまた繋がる瞬間値に居合わせた。今が、そういう事だ。
何を確認したいのかもわからないまま、繭の方から横に駆け寄って声をかけてみる。
「……ねえ」
凛は無言のまま、視線が一瞬飛んでくるだけだった。
不穏なものは何もないのに、久しぶりのせいなのか少しだけ間が長い気がする。
「……最近、会わなかったね」
返答がないから、沈黙に落ちるがこれは別に珍しいことではない。
繭の言葉を真正面から受け取らないのも、受け取った上で返答を出さないのも、今に始まったことではない。
ただ、少しだけ、それをわかっているからこそわざわざ言う必要はなかったのかと考え直しもする。
「……忙しいの?」
「別に」
繭からは次の言葉が出なかった。
不一致の理由をわざわざ探さなくても今までは自然配置でちゃんと回っていたからだ。
理由探しをする今の自分の動き自体が、そもそも不自然だということになる。
「用がねぇなら行く」
凛はあっさりそう言って、先に歩き出した。
繭にはここで引き止める理由はないし、後ろから見送ることになる。