第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】
「また……ご飯、誘ってもいいか? 仕事の、パートナーとしてではなく。……その、個人的に」
一気にまくし立てた言葉に、轟の耳は瞬く間に赤く染まっていく。
「仕事」という枠組みに閉じ込められるのが嫌で、彼は不器用ながらも必死に、自分たちの間にあったはずの「あの夜の続き」を手繰り寄せようとしていた。
は一瞬、驚いたように目を丸くした。
けれど、すぐにその表情は崩れ、心からの笑顔で答える。
「……ええ、もちろん。楽しみにしてるわね、ショートさん」
その答えを聞いた瞬間、轟の胸を支配していた重苦しい霧は一気に晴れ渡った。
「ああ。……次は、もっとゆっくりできる店を探しておく」
「期待してる。それじゃあ、またね」
今度こそ去っていく彼女の背中を見送りながら、轟は大きく息を吐き出した。
冷え切っていた指先に、あのスタジオで彼女に分け与えた時のような、熱い感覚が戻ってくる。
世間がなんと言おうと、自分たちが「ただの仕事だけのパートナー」ではないことを、彼女も分かってくれている。
その確信だけで、今は十分だったーー。