
第2章 第弍話 ジャッカル頭

「グルルルル・・・」
そこに居たのは先刻の謎の咆哮の主である怪物が居た。それは恐竜の様な体制をとり、赤髪で目の結膜の部分は赤黒く、怪獣の牙が生えた口の様なものが描かれたマスクを着けていた。体表は怪獣そのものだった。
「なんだありゃ・・・あれが世界をこんなことに・・?」
「いや違う・・・あの時全部無茶苦茶にしたのはもっと大きい黒色で角の生えてるやつだったから」
「グルル・・・‼︎」
「あれ?もしかしてこっちに気付いたんじゃ・・・」
「っ‼︎」
怪物はマスクに描かれた口を開け、こっちに向かって走って来た。その時、カイは美香を抱えて一回転し、怪物の突進を避けた。
「ぅえ⁉︎どうなった?」
土煙が晴れ、怪物はまた突進を仕掛けてきた。しかし今度は思いっきりカイに向かって突進して来ていた。
「うっ・・・‼︎」
「カイ‼︎‼︎」
怪物はカイの鳩尾に頭を当てて突進した。ギリギリカイは鳩尾と怪物の頭の狭間に手を捻じ込み、重傷は避けたものの、怪物の強靭な力ではるか遠くまで吹き飛ばされてしまった。
「カハッ・・・うぅ・・・おえ・・・」
「グルルルル・・・」
「‼︎俺が完全に狙い目だな・・・」
カイは直様起き上がり、怪物の顎に膝蹴りを入れて見せた。怪物の長い爪での引っ掻き攻撃を躱した後、その怪物の大元と見たマスクを外した。すると怪物は悲鳴をあげ、やがて動かなくなった。
「倒した・・・?」
カイはマスクをポケットに入れ、足で突っついた。怪物が動くことは無かった。永遠に。
「・・・死んでる」
「てかよくコイツ倒せたね」
「分かんないけどなんか体が先に動いてた」
「でもなんでカイの事狙ってたんだろ?てか何この生き物」
「それは分かんないけどこれは人なんじゃないかな・・・元々」
カンッカンカン・・・
何か金属の様なものが上から落ちてきた音がした。
「⁉︎なんだ?」
「フィールドを展開します」
上から落ちてきた物はそう言い放ち、無機質なドーム型の建造物を生成し、カイと美香を閉じ込めた。出入り口は無く、とても広かった。
「何これ⁉︎」
遠くから何者かが歩いてくる足音がした。それも大勢の。
「どうも初めましてこんにちは。モンタ・カイ君、犬飼美香さん」
「誰だ?」
現れたのは成人男性よりもはるかに大きく、黒い皮膚でジャッカルの頭に人の体が生えているような歪でも威厳を放つ怪物だった。
