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小夜の狐神〜天に届くまで〜

第4章 荒神を鎮めん


「姉上の代わりに、この儂が手を降してやろう」

素盞嗚尊は十拳剣を握り締め、構えた。だがすぐに玄が私の前に立つ。素盞嗚尊は玄を睨み付け、「神の行く手を阻むか」と暴風を吹き荒らす。

「梓は我の主。守るのが責務であろう?神でも妖でも、この娘を守ることに変わりはせん」

「ほう?それ故、姉上は苦戦を強いられておるのか」

素盞嗚尊は玄に十拳剣のを振り翳した。玄は避けることもせず、その刃を受け止める。漆黒の衣が切れ、肌から血が滲んでいる。

「や……玄、やめて……」

「我らは刃を交えに来たのではない。素盞嗚尊よ、怒りを鎮めよ。何故、そう荒ぶっておる」

後ろ手で抱き寄せられて、玄の背中に頬をつけてしまう。スーッと背を撫でながら指が移動し、腕を掴まれて抱き締めるように胸に回された。

「……姉上が神罰を降した理由を知らなんだ。つい先刻、妖を招き入れたと知り、人というものはなんと薄情なものよと…な」

母様は何も知らないようだった。何か誤解があるのでは?と思ったが、幼かった私の記憶など、なんの意味があると言うのだ。

力を入れた指がぬるっと滑る。玄の血だ。私のせいで玄に怪我をさせてしまった。傷に触れないようにぎゅっと抱き締める。すると、いきなり私たちは温かな光に包まれた。
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