夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第14章 天使と巡り会うオラトリオ【東京第2結界】
「だから君は、彼女と『共生』とする道を選んだと?」
星也の問いに、“天使”は『そうだ』と頷く。
「じゃあ、あまり私のことペラペラ話さないでくれます?」
華が不満げに唇を尖らせ、“天使”を睨んでいた。
「……君の術式で、受肉した泳者を受肉前の状態に戻すことは?」
脳裏に津美紀と虎杖の姿が浮かぶ。もしも、それが可能なら……。
『無理と断言できないが、九割九分 死ぬ。受肉とは、呪物と肉体の融合だからね。都合よく片方を引き剥がすのは難しい』
「……そうか」
分かっていたことだ。それでも……現実を突きつけられると辛い。
『元に戻したい人でもいるのか? 残念だが、役に立てそうもない』
「気にしないでくれ。さっきも言った通り、君に頼みたいのは【獄門疆】の封印を解くこと。今のは僕が欲張っただけだ」
『そちらは可能だ。君――いや、君たちが私に協力してくれるのならな』
「……そうだったな。協力内容は? まさか、受肉した泳者の殺害を手伝えと言うつもりか?」
『君の強さを見たら そう言いたくもなるが、そこまで がめつくはない。ただ……一人だけ、受肉した泳者の中に、何としても屠りたい者がいる』
――【堕天】
『この泳者を殺すことができれば、君たちへの協力は惜しまないことを約束する』
「……分かった。協力しよう」
津美紀のことは……何とかする。
そのためにも、まずは五条を助け、【死滅回游】を終わらせること。
【堕天】が何者か知らないが、“天使”が協力してくれるのなら、たとえ刺し違えることになっても……。
『さて。華、そろそろ行くぞ』
「行く? どこに?」
立ち上がった華――もとい、“天使”へ呼びかける。