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夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第14章 天使と巡り会うオラトリオ【東京第2結界】


「おいおいおい、何の真似だ? もう一戦 お望みか?」

「言ったはずだ。僕には時間がない。それでも……君のことは嫌いじゃない」

「はぁ?」

 ますます意味が分からん。さっきまで命のやり取りをしていた相手だぞ。

「ちっ。そういうところも晴明にそっくりだな。ホントいけ好かねぇ」

「一つ、聞きたいことがある。君がそれだけ言う安倍 晴明は、どういう男だったんだ?」

 静かな夜色の瞳が瞬いた。そのとき、耳の奥にヤツの声が蘇る。


 ――「守りたいもの? そんなもの決まっているだろう――この国さ」


 ――「……力がいるのだ……強くあらねば……この国を、守るために……」


「……ただの、理想主義の大バカ野郎だ……」

 呆れと共に吐き出した言葉に、青年は抑揚のない声音で「そうか」と頷いた。そして、こちらに背を向け、“天使”のもとへ踏み出す。

「おい」

 短く呼び止めると、青年が黙って振り返った。

「安倍 晴明の力を継ぐ者――名は何だった?」

「――神ノ原 星也」

 簡潔な名乗りに、札埜は「そうかい」と小さく苦笑する。

「神ノ原 星也。死にたくなったら言えよ。オレが殺してやる」

「……あぁ、覚えておこう」

 半分 冗談、半分 真面目に言った言葉に、青年――星也は何を考えているのか分からない静かな表情で返してきた。

* * *

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