夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第14章 天使と巡り会うオラトリオ【東京第2結界】
「執着を捨てろ。力に縋るな。自分の弱さを理解しろ。一人で背負えるほど、オマエの抱えてるモンは軽くねぇ。人も、日常も、国もな……」
睨みつけるように見上げると、青年は戸惑った表情で眉を寄せた。
これは、言われている意味が分かっていないヤツだな。
ったく、これだから晴明の系譜は。
「いい。言いたいことはそれだけだ。コガネ。点を全部 渡してやれ」
「いや、一点は持っておくといい。【死滅回游】で生き残るには必要だろう」
【死滅回游】では十九日以内に点の変動がなければ術式が剥奪されて死に至る。
それでも、一点でも手元にあれば、それを誰かに渡すだけで『変動』の条件をクリアでき、殺しをする必要がない。
「……好きにしろ」
『――札埜 満長から51点が譲渡されました』
すぐに自分の所持点を確認した青年が、なぜか傍らに膝をついた。
「――【オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ】」
薬師如来の真言に身体中の痛みが引いていく。
だが、なぜそんな行動をとったのか理由が分からず、身体を起こした札埜は、手を握って開いた札埜は思わず青年に怪訝な表情をした。