夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第14章 天使と巡り会うオラトリオ【東京第2結界】
「【朱雀】」
顕現した【朱雀】が声を上げて応じ、弾丸の雨を呑み込むように炎を放った。
――ゴォォォォッ‼︎
爆ぜるように浄化の炎が広がり、炎に触れた弾丸をことごとく焼き尽くしていく。
「なっ――⁉︎」
札埜が目を見開いた。
【朱雀】の炎は呪力を燃やす。対呪霊はもちろん、呪力を使う術師にも有効だ。
轟音と共に押し返された光弾の雨が、火粉となって散り、札埜まで届く。
「くそっ‼︎ ぐあぁぁあぁぁ――――ッ‼︎」
札埜が炎に呑み込まれ、空気を引き裂くほどの悲鳴を上げた。地上へ落下していく札埜に、星也は微かに眉を寄せる。
やった……わけではないだろうな。このままただで終わる術師ではないだろう。
爆煙の中を警戒しながら、星也は後退し、“天使”の足元に転がる【天枢】を拾う。
「巻き込んですまない。攻撃の余波はないか?」
「あ……は、はい……」
縋るように【太裳】の羽に触れる彼女の視線が、やや熱を帯びていることが気になったが、今 気にすることではない。
「すぐ片をつける。もう少し待っていてくれ」
そう言い残して、星也は爆煙の向こうの札埜に向き直った。
* * *