夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第14章 天使と巡り会うオラトリオ【東京第2結界】
「あなたは……」
「話は後だ。僕も君に用がある。少し待っていてくれ」
そのまま【太裳】に彼女を守らせ、星也は攻撃してきた泳者に向き直る。
地上に降りてきた泳者――茶色の髪をかき上げ、血走った好戦的な目をした男を、星也は冷静に観察した。
「コガネ。彼は?」
『はいはい』
《札埜 満長(ふだの・みちなが)》
得点:052 変更:00回
滞留結界:東京第2
「おいおいおい! 【十二天将『太裳』】じゃねぇか! オマエ、安倍 晴明か‼︎」
「安倍 晴明は僕の先祖だ」
遠縁の、と内心で付け足す。
札埜の憎悪すら籠る眼差しと忌々しく紡がれた言葉を、星也は平然と受け流した。
「あぁ、そうかい。アイツは羂索の誘いに乗らなかったのか。高慢ちきな理想主義者のアイツらしいぜ」
どうやら、先祖と確執のある術師――それも、受肉した過去の術師のようだ。
安倍 晴明と関わりがあり、【太裳】のことを知っていた……となると、こちらの手の内もある程度 知れていると考えた方がいいだろう。
「まぁ、いいさ。オマエが晴明の血縁だっていうなら、それごと消し去ってやる!」
札埜が懐から呪符を抜く。そこには、炎を纏う真っ赤な異形と、身体をボールのように丸めた異形が描かれていた。
「【六番、八番――撃ち抜け】‼」
札埜が懐から抜いた呪符が、銃のように構えた手の平に溶ける――と、その指先から炎の弾丸が放たれた。