夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第13章 戻らないプラーチド【東京第2結界】
移動中にも襲撃に遭い、気がつけばさらに五人の泳者を殺していた。
心が軋むたびに自己嫌悪が募っていく。身を守るためとはいえ、自分の意志でやったことだろう。
深くため息を吐き、意識して呼吸を整える。
感情を殺せ。何も感じるな。
呪文のように何度も自分の中で繰り返す。
自分は呪術師だ。自分で選んで、今 ここにいる。
必要な殺しは 今まで何度もやってきた。
命は背負っても引きずるな。
罪の重さに押し潰されるな。
「……僕は……呪術師だ……」
――リンゴン! リンゴン! リンゴン! リンゴーンッ!
けたたましい鐘の音と共に、コガネが姿を現した。
『泳者による【死滅回游】へのルール追加が行われました!』
〈総則〉
9.泳者は他泳者の情報――“名前”、“得点”、“ルール追加回数”、“滞留結界”――を参照できる。
「……参照?」
なぜ こんなルールが……?
いや、理由は考えても仕方がない。
こちらとしては好都合だ。
「コガネ、ルールを追加した者を出してくれ」
『はいはい』
星也は適当なビルに降り立ち、コガネに指示を出す。すると、コガネの身体がにょん と縦に伸び、ディスプレイに一人分の名前が表示された。
《鹿紫雲 一》
得点:100 変更:01回
滞留結界:東京第2