夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第13章 戻らないプラーチド【東京第2結界】
『確認は?』
「これからだ。今、津美紀が入院している病院に向かってる」
「詞織たちは? 真っ先に行きそうだけど」
「時間がないから、できることを始めておくって」
なるほどね、と電話の向こうで苦笑する気配がした。
『ねぇ、星也。もし――……』
「姉さん」
何を言いたいのか察し、星也はあえて姉の言葉を遮る。
「まずは 神ノ原邸に帰って、“津美紀の部屋”を確認しておいてほしい。これが杞憂でなかったら、必ず必要になる。それが 終わったら病院に来て、津美紀と一緒にいてくれ」
分かった、と頷く姉に、「それじゃあ」と断って通話を終えた。同時に病院へ到着し、人目につかない場所で地上に降りる。
正面エントランスから病院へ入り、面会の手続きをして津美紀の病室へ向かった。
部屋の前にいた補助監督の女性に軽く挨拶をし、扉をノックして入室を求めると、中から「はい」と聞き慣れた声が応じる。
「星也さん」
そこでは、ベッドに入ることなく、縁に腰を掛けて彼女が待っていた。少し痩せた印象で、顔色も良いとは言い難い。ずっと意識不明の状態だったのだから無理もないか。