夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第12章 トライトーンに蘇る恐怖【東京第1結界】
「この女 殺るってんなら、その前にオレがオマエを殺すぞ……!」
応戦するべく口を開こうとすると、髙羽が「詞織君」と肩に触れて止めてきた。
「この結界での用事は終わった。そう、少年が言っていただろう。これ以上 戦う必要はないんじゃないのか?」
「でも……」
でも、津美紀が……わたしは、津美紀を……。
――「詞織、無茶はダメ」
耳の奥で津美紀の声が聞こえ、詞織は無意識に短剣を下げた。
「……もう、いい……メグと合流する」
伏黒が51点、自分が37点。合わせて88点が手元にある。
100点を集めるには残り12点。その辺りの泳者を叩いて譲渡させれば どうにでもなるだろう。コイツらの点に拘る必要はない。
「うっ……」
不意に 不協和音に頭が痛み、詞織は顔を顰めながら彼方を見た。
「ん? どうした、詞織君?」
――“イヤな予感”……? いったい何の……?
――「ごめん」
抱きしめる温もりと耳元で囁かれた謝罪を思い出す。
「メグ……⁉︎」
伏黒の戦っていたレジィという術師がどれだけの強さだったのかは分からないが、無傷で済んだということはないだろう。動けなくなっている可能性だってある。
「詞織君⁉︎」
弾かれたようにして、詞織は走り出す。
お願い、無事でいて……!
戸惑う髙羽を置いて、詞織は不協和音の鳴る方へと急いだ。
* * *