夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第12章 トライトーンに蘇る恐怖【東京第1結界】
「あなたの点をちょうだい」
「……あげたら……助けてくれるわけ……?」
意識が朦朧しているのか。微妙に焦点の合わない瞳が見上げてくる。
「くれるの? くれないの? わたし、あまり気が長くないんだけど」
「うっ……コガネ。ボクの持ち点をあげて」
そこへ、詞織のコガネがポンッと現れた。
『貞包 かや子から32点が譲渡されました』
点が加算された。詞織の現在の持ち点は37点――だが、まだ足りない。
「うん。じゃあ、あなたの5点も貰う」
「ちょっと! 点 あげたら助けてくれるって……!」
「そんな約束してない」
「嘘でしょ……待っ……‼︎」
顔を青ざめさせ、かや子が溢れそうなほど目を見開く。そのとき、視界の端に目玉が飛んでくるのが見えた。
――バアァァンッ‼︎
顔を覆って自分を庇うも、爆風は詞織にかかることなく収まる。
怪訝に思いながら目を開くと、左半身に青いヒーロースーツ、右半身が裸の男が詞織の盾のように両手足を広げていた。
「間に合ってよかった。大丈夫かい、詞織君」
「……髙羽……?」
振り返った先で、左目から血を流しながら、黄櫨が かや子を腕に抱き寄せ、歯を折る。