夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第11章 アディラートに奮い立つ【東京第1結界】
だが、このまま終わるつもりはない――ッ‼
レジィは影の中に沈めた自動車に命令を与え、影から脱出した。押し上げられるように元の場所へ戻り、「ゲホッ」と咳込む。
レジィの再現したモノは、与えられた命令を実行した後、すぐに消滅する。
しかし、沈めた自動車にはガキの中に残っていてもらう必要があるため、命令を与えていない。だから、『俺を連れて上がってこい』と命じたのだ。
一台分の重さが消えてしまったが、おかげで助かった。
「認めるよ。オマエは強い――だが、俺はもっと強い!」
――【再契象】
「建築面積四十坪! 木造軸組み二階建ての家屋だ‼ 躯体だけでも三十トンは下らない! 潰れちまえよ‼」
次の瞬間――レジィは液体の中にいた。首には腕、腰には足でガキに動きを封じられ、身動きが取れない。
何が起こった⁉ また影の中に落ちたのか⁉
いや、違う! 息はできないが、空気も浮力もある! 本物の“水”の中だ‼
身体を絞めているガキ――なんて力だ! こちらが足した自動車二台分の重さのせいで、とんでもない馬力になっている。
まずい……術式を解除しなければ、今度こそ意識を飛ばしてしまう。