夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第11章 アディラートに奮い立つ【東京第1結界】
「薄ら笑いが消えてるぞ」
「ガキが! 何を勝った気――」
バチバチッと電撃を纏った【鵺】がレジィを襲う。さらに、伏黒は影で作った分身と共にレジィと距離を詰め、【蝦蟇】で足止めされているところに体術で迫った。
レジィが【再契象】で四本のナイフを再現し、【蝦蟇】の舌を斬り裂く。同時に剣を取り出したときには影を伝い、レジィの足を掴んでいた。
そのまま体勢を崩させ、呪具の剣を振りかぶる――が、再現した剣で受け止められてしまった。
だが、伏黒は止まらない。影で作った分身体の一人が、レジィの顔面に肘を叩き込む。
――そこで、突如 伏黒は動きを止めた。
レジィが三台の自動車を再現し、影に沈める。ズンッと身体が押し潰されるような感覚に立っていることもままならない。
ビリビリと身体が痺れる――否、“重い”。
「やっぱりね。さっきから足場にさ、呪力で強化してないと吸い込まれそうになってたんだ。この【領域】の下は全部 君の影なんだろ?」
そう言って、レジィが下を指し示す。
「物を出し入れ、自分を出し入れ……便利だねぇ。でも、一つ気になっていた」
――“武具のストックが少ない”。
「俺はまだちんけな呪具一つしか見てない。キャパが少なくて、自分一人分の空きを常に確保しておく必要があるのか。それとも――……」
――影に格納した物の“重さ”を自分で引き受けなきゃならないか。
「後者でビンゴ!」
――クソッ! 【領域】の仕様を逆手に取られた‼︎
乗用車三台分。現在の重さはざっと2.4トン。重さに耐えかねた分身は全て消えている。