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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】


「試合には二種類ある。今日のトーナメントのような脚本なしの“ガチンコ”と、脚本ありの“八百長”。脚本はもちろん胴元が書く。ここで上手くアピールできたら声が掛かるかもな」

「要は派手に暴れりゃいいわけだ」

 話が簡単になってくれて助かる。そういうのは得意分野だ。

 男に案内され、試合会場に入る。階をぶち抜き、上が客席、下が試合会場ということらしい。客席といっても、全員 立ち見だが。

 客層はバラバラ――カジュアルな着こなしの一般人からビジネスマン風の者、“いかにも”な空気感の裏社会の人間もいる。

 違法な賭け試合だからか、プロレスやらボクシングのような熱気はないが、値踏みされているような居心地の悪さはあった。

 そういえば、伏黒や詞織も潜入して観客に紛れると言っていたし、どこかで見ているのだろうか。そんなことを考えていると、男が「おい、来たぞ」と呼んできた。

「アレがお前の対戦相手だ」

 男の示す先を見て、虎杖は目を丸くする。

「俺も初めて見たときは ぶったまげたよ」

「あぁ」

 そうだな。自分もぶったまげてるよ。アンタと違う意味で。

「まさに客寄せってわけだ」

 どういう表情をしていいのか分からず、とりあえず男に話を合わせる。視線の先では、愛くるしい表情で“ソイツ”はのそのそと身じろぎをしていた。





『さぁ、今夜も始まりました! ガチンコ ファイトクラブ トーナメント! 実況はお馴染みジョン⭐︎ボビがお送りします! さっそくゴキゲンな対戦カードを紹介するぜ‼︎ 突如 現れた刺客! 三角の次も四角‼︎』





 ――デンジャラス火の玉ボーイ! ユゥウウジィ イタドリィィイ‼︎



 ――立てばパンダ、座ればパンダ、歩く姿はマジ パンダ! パ! ン! ダ! だァアアア‼︎





『さぁ! はった はった〜〜‼︎ よぉござんすか⁉︎ よぉござんすねぇ〜〜〜〜⁉︎』

 ようやく会場が熱を持って ざわつき始めた。

 対戦相手――パンダに視線を向ければ、彼は上階の観客に愛嬌を振り撒いている。

 やがて、けたたましいコングの音と共に試合が始まった。
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