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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】


「ルールは二つ――“逃げるな”、“術式は使うな”」

 駐車場の中、自販機横のベンチに腰を掛け、虎杖は説明を受けていた。説明してくれているのは、先ほど伏黒に殴りかかった屈強な男だ。

「なんで? 俺は別に術式 使ってもらっていいけど」

「客はほとんど非術師――視えない側の人間だ。視えない勝負をされても盛り上がらん」

 そりゃあ、そうか。こういうところは誠実なんだな。

 「“逃げるな”の方は?」

「“客の見える範囲で戦え”ってことだ」

「どこまでも客だなぁ」

「当然だ。ビジネスだぞ」

 やっていることは違法なのに、どこまでもお客様第一でやっている。その真面目さを別のところで発揮できなかったのが悔やまれた。

「胴元ってどんな人?」

 少し探りを入れてみる。別に不自然な流れではない……よな。

「気になるか?」

「まぁね」

 よかった。不自然に思われてはいないようだ。

「会えば分かるさ」

「会えんの?」

 思わず目をパチクリさせると、男はニヤリと口角を上げる。
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