第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】
「……あんま心配かけんな」
「メグに言われたくない」
「あと、俺以外の前で笑ったり泣いたりすんの やめろ」
「それは無理じゃない?」
うーん……これは解決しないヤツだな。うん。
話を進めなければ……集合時間までこの状態も困る。
「とりあえずさ、秤さんがここにいることは分かったじゃん」
無理やり話を戻し、虎杖は先ほど試合にエントリーできることになった流れを詞織に説明する。
「防犯カメラで俺たちを見てたってことは、高確率で秤先輩はあそこにいる」
「モニタールームってこと? 遠隔(リモート)で見てるってことはない?」
まぁ、確かに その可能性もなくはない……か。
「それは一旦 置いとこう。そこまで考えると身動きがとれなくなる」
伏黒の提案に、「だな」と詞織と一緒に頷く。
「虎杖はそのまま試合に出場して、内側から探りを入れてくれ。俺はその間に詞織と駐車場に潜入する……かも」
「かもぉ?」
珍しくはっきりとしない言い回しに聞き返すと、伏黒は頷いて続けた。
「俺はたぶん泳がされてる。俺の潜入がバレた時点で虎杖への信用もゼロからマイナスになって、俺たちが秤さんと接触する機会がなくなる」
「じゃあ、そのときは力づくね」
「それは本当の最終手段だ」
物騒な詞織の作戦に、伏黒は彼女の帽子のツバを弾く。