第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】
「粗方 見て回った。メグたち、大丈夫かな……」
正直、セキュリティはザルと言っても過言ではない。見張りは術師のようだが大して強くないし、自分一人でも制圧できてしまうだろう。
「誘われてる? ……わけないか。秤さんは わたしたちが来てること知らないし……それだけ、自分の力に自信があるってこと……?」
乙骨に『自分より強い』と言わしめ、五条も認める強さがあれば、誰が来ても問題ないと思っているのだろうか。
いや、今 考えることでもないか。
「屋上にも何かあるかな? 【風はやみ 雲の――……】」
「そこで何してるの?」
ビクッと、詞織は思わず肩を跳ねさせる。振り返ると、露出の高い服を着た細身で華奢な人物がこちらを見ていた。口には大量のピアスをつけており、かなりパンクな出立ちだ。
女の人……?
ううん、違う。そう見えるけど、たぶん男の人だ。
直感でしかないが、立ち姿や骨格を見ると、女というには何となく違和感があった。
まぁ、男でも女でも関係ない。誰がどこで秤と繋がっているのか分からないのだ。誤魔化さないと。
詞織は細く息を吐き出し、深く息を吸い込んだ。