第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】
――栃木県 立体駐車場跡地。
「なんで着替えんの?」
伏黒は虎杖や詞織と森の中に潜み、ここへ来る途中で買ったジャージを影の中から取り出し、二人に渡した。
「秤さんは上と揉めて停学を食らったんだ。呪術規定も現在進行形で破ってる」
学ランやパーカーを脱いでオレンジのジャージに着替えを始める虎杖に、伏黒も学ランを脱ぎ、黒いジップのパーカーを着込む。
「そういうこと。高専の人間だってバレたら、逃げられるかも。ケーサツとドロボーみたいなものだし」
詞織も学ランのボタンを外し始め――……。
「待て! バカ‼」
慌ててボタンを外す詞織の手を止めると、虎杖が「んー?」とこちらを振り返った。
「え、メグ……何?」
「前にも言ったけど、躊躇いなく服を脱ぐな。あっちで着替えろ」
木陰を示すと、詞織が微かに眉を寄せて不服そうな顔をする。いや、その顔は可愛いけども。
「下着になるわけじゃない。パーカーだってシャツの上から着るし」
「そういうことじゃねぇよ。薄着になんだろ。早く行け」
交流会前にも同じやり取りをしたはずなんだが。
木陰に行く詞織を見送っていると、虎杖がジッとこちらを見ていた。