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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第5章 心を揺さぶるエレジー【パンダだって/葦を啣む】


「自分のエゴで死んだ人間を、生きている人間のエゴで生き返らせたっていいだろ」

 真希の殺気のこもった目がこちらを睨む。妹の死とその覚悟を『エゴ』の一言で片づけたことに怒りを感じているのだろうが、それは自分とて同じだ。

 真依といい、メカ丸といい……“オレ”の“くだらない日常”を勝手に壊してんじゃねぇよ。

「止めねぇなら強行するぞ」


 ――【水命示現法『マーメイド』】


 うねるように顕現させた水が女性の形をとる。どこか神秘的な雰囲気と優しそうな顔立ち、魚の下半身を持つ彼女は、母の姿に似せて作った。

「――ごめん」

 現れた【マーメイド】にポツリと謝ると、彼女は悲しそうな微笑を浮かべ、垂水の頬をほっそりとした指で撫でる。
 そして 真依の顔に顔を近づけると、額に口づけを落とし、溶けるように彼女に吸い込まれた。

「――真依に何をした?」

 真希が持っていた刀を垂水に突きつける。

「……【マーメイド】は、式神の中でも特別製だ。オレの魂の一部を使って作ってる」

 任務で致命傷を負った際、己の魂を補完するために用意していた命綱だ。自分が弱いとは微塵も思っていないが、頑丈さではさすがに東堂に負ける。

 桃が真依の胸に耳を寄せ、ハッと目を見開いた。
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