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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第5章 心を揺さぶるエレジー【パンダだって/葦を啣む】



「アンタはあたしで、あたしはアンタなの」


 アンタが血ヘド吐いて、努力して強くなりたいって願ったって意味ないのよ。あたしは強くなんてなりたくないから。

 アンタが術式 持ってなくたって、あたしが持ってちゃ意味ないのよ。

「あたしがいる限り――真希、アンタは一生 半端者なの」

「分かったから! 戻れよ‼」

 別にどうだっていい。

 半端者だろうが何だろうが、それも含めて背負っていく。

 居場所なんてないなら構わない。

 あの家が真依の居場所になり得ないなら、自分が居場所になればいい。

 二人で一人――上等だ。
 そんなもので限界なんか決めさせない。

 双子だからって……真依の存在を理由に何かを諦めるなんてしない。

「これだけは置いてくわ。他は捨てなさい」

 バシャバシャと波をかき分ける真希に真依が手を伸ばす。その手を真希は掴んだ。

「呪力も何もかも、あたしが持って行ってあげるから」

 掴んだ手を振り払われ、真希は手のひらを開く。

「……一つだけ、約束して。全部 壊して」


 ――全部だからね、お姉ちゃん


 葦の房が一つ――それと、寄り添い合っていた幼い頃と変わらない笑顔を遺して――……。

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