第5章 心を揺さぶるエレジー【パンダだって/葦を啣む】
「まさみち がいないと さみしいぜ」
振り返った先では、夜蛾の造った【呪骸】たち全員が寂しそうにこちらを見ている。
――【完全自立型人工呪骸】。
己の術式と向き合った結果、試行錯誤の末に完成していた。
パンダはその中の最高傑作だ。『突然変異』と偽って表に出すことが叶ったが、他の【呪骸】たちはこうして天元の庇護のもとに匿っている。
だから、日下部の妹のために造ったタケルも、母と暮らすことは叶わない。日下部もそれを分かって了承し、【完全自立型呪骸】についても口を噤(つぐ)んでくれている。
夜蛾は【呪骸】たち――否、息子たちの姿を瞼の裏に焼きつけ、後ろ髪を引かれつつも扉を潜った。
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