【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第17章 ✼••┈••✼蓬莱で、二人。✼••┈••✼
「…蓮の研究室から直接来たんだ、この状態なのがマシな方だ。」
菊花は弔兵衛を顎で指しながら言った。
…マシな方って…。
孤蘭はゴクリと弔兵衛を見た。
今にも息絶えそうで、彼が死んでしまうのではないかと思えた。
そんな弔兵衛を心配そうに見ている孤蘭に、菊花の腕が腰に回った。
「こんなのを孤蘭の部屋に運ぶのは嫌だったんだ、孤蘭は俺の部屋に来ればいい。中庭で桃花たちも居るぞ。」
菊花は笑いながら孤蘭に言った。
それに…と弔兵衛をチラリと見た。
「丹でも飲んで放っておけば回復する。」
「…でも…放っておくなんて…。」
しかも自分の部屋にだ。
気まずい気持ちと後ろめたさが入り混じって、孤蘭は困惑した。
「…随分と人間らしい心配をするようになったな。」
一段低い菊花の声に、孤蘭は弔兵衛から目を離して菊花の顔を見上げた。
「俺たちがふざけて怪我をしても、一緒に笑って過ごしてきたじゃないか。この人間には心配をするのか?体は俺たちに近い存在だぞ。」