【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第12章 ✼••┈••✼牡丹の雫✼••┈••✼
牡丹の言葉は衝撃だった。
不老不死を修行している天仙から、死んでもよいと言う言葉があまりにも非現実的で。
「…牡丹…なに言ってるの?私死なないよ…外丹花(ワイタンファ)になるし…。」
牡丹の声はどこか真実味があって、孤蘭は牡丹が居なくなるような気がして手が震えた。
手を震わして、懸命に笑顔を作る孤蘭に、牡丹は口元を小さく緩ませた。
「……本当に強い科だ…。」
やはりその笑顔はどこか寂しさそうで、孤蘭の胸を強く痛ませた。
牡丹は目を瞑り、しばらくしてゆっくりと目を開けた。
次に見た牡丹の笑顔はいつもの笑顔だった。
「…湯がぬるくなってきたから上がろうか。」
牡丹はそう言って孤蘭の体を湯から出した。
そして普段は道士がしているように、孤蘭を着付けて彼女の世話をやいた。
牡丹の様子はいつも通りで、孤蘭の胸の痛みは徐々に治っていった。
そうして二人で周天宮に向かう途中で、牡丹の足が止まった。
「……牡丹?」
「………人間が蓬莱に来たようだ。」