【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第12章 ✼••┈••✼牡丹の雫✼••┈••✼
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蓬莱(ほうらい)の浴殿で、孤蘭は湯浴みを道士たちに手伝って貰っていた。
蓬莱では天仙たちや孤蘭の世話を道士が行なっている。
彼らが自分の身の回りに居ることは、昔からなので孤蘭はたいして気にしていなかった。
「孤蘭。」
色々な花びらを並べた湯の中で、牡丹(ムーダン)の声を聞いて孤蘭は振り返って微笑んだ。
「…牡丹…、後で行こうと思ってたよ…。」
そう言った孤蘭に頷いた後に、牡丹は道士たちに目配せをした。
牡丹の目配せで、道士たちは浴殿から出て行って、牡丹と孤蘭は二人きりになる。
「…僕も入ろうかな…。」
そう言って道士装飾を脱ぐと牡丹は湯の中に入り、孤蘭と向かい合った。
湯の温かさで少し顔を赤らめている孤蘭を見て、牡丹は目を細めて微笑んだ。
その目が少し寂しそうで、孤蘭は思わず牡丹の頬に手を伸ばした。
「…どうしたの?牡丹…。なにかあった?」