【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第11章 ✼••┈••✼寵愛の花✼••┈••✼
「…ただの例えだ。孤蘭は私にとって紅顔(美しい恋人)に違いは無い。」
「………。」
孤蘭を語る蓮の表情は、本当に愛しい人を語る口調だった。
その蓮の顔を見て菊花はもう何も言うことなく、蓮に背を向けた。
「…待て、孤蘭は何処にいるんだ?」
その蓮の言葉に菊花は嫌な顔をした。
蓮に孤蘭の居場所を教えたく無かったが、教えなかったら、それはそれで面倒だと分かるからだ。
「…孤蘭なら、守一宮だろ。」
「…そうか…。」
桂花(グイファ)のところに居ると聞いて、蓮は顔を顰めた。
孤蘭は昔から嫌なことがあると、桂花のところに居ることが多かった。
人間との逢瀬は孤蘭にとってあまり良いモノではなかったようだ。
それが分かると、蓮はすぐに孤蘭に会いに行こうとした。
「…少しは桂花にも譲ってやれよ。」
すぐに守一宮に行こうとする蓮に菊花は言った。
桂花は人見知りなだけで、自分から孤蘭と過ごすことができないが、孤蘭との時間はまた彼も大切にしていたからだ。