【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第10章 ✼••┈••✼人間と天仙と✼••┈••✼
だからだろうか。
菊花を見たら涙が溢れた。
「孤蘭どうした、人間どもに酷いことされたのか?」
孤蘭の肩を掴む菊花の手に血管が浮き出ていて、彼が怒りを抑えていると分かった。
「…菊花…私…、もう人間の男はいや…。」
彼らと触れ合ったら、気付きたくないことを暴かれる気がするから。
妊娠は一度でするだろうか…。
孤蘭は菊花の腕の中で、彼にスリッと体を寄せた。
菊花は孤蘭の言葉に顔を顰めると、彼女の体を抱き締めながら震える声で耳元で囁いた。
「大丈夫だ孤蘭…。お前と桃花だけは絶対に俺が守るから…。」
菊花の言葉に、孤蘭はゆっくりと目を開けた。
そして腕を伸ばして菊花の首に巻き付けた。
菊花の顔を近付けて、彼に口付けをする。
広く静かな宮殿の回廊に、二人の口付けの音が沈んだ。
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