【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第10章 ✼••┈••✼人間と天仙と✼••┈••✼
彼らと居ると、忘れたなにかを思い出せそうだった。
私は何故あの時、牡丹の周天を断ったんだろう。
蓮の顔を思い出して、押し込めた感情はなんだったのだろう。
分かりたいのか、分かりたくないのか。
それすらも分からない。
あの獣にもう一度会いたいか。
いや、あんな風に抱かれるのはもう嫌だ。
だけど、熱かった…。
口の中の血の味も、汗の匂いも、彼の全てが体に染み込んでいる。
「孤蘭!!」
「……菊花(ジュファ)…。」
暗い朱柱の並ぶ回廊から菊花が現れた。
菊花は孤蘭の様子を目視するとすぐに駆け寄ってきた。
「誰がお前をこんなに傷付けた!!」
服が乱れて白い肌に情痕を見つけた菊花は、乱れたように孤蘭の体を抱き上げた。
菊花の怒りや、心配…焦りの混濁した表情を見て、孤蘭は目を細めた。
そうだ。
昔から菊花にだけは彼らと同じ感情を感じた。
牡丹なら、お盛んだと言って茶化すだろう。
蓮は少し嫌な顔はするだろうが気にしないだろう。