【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第10章 ✼••┈••✼人間と天仙と✼••┈••✼
ズルッと中に入っていたモノが抜けて、孤蘭は肩で息をしながら目を閉じた。
頬に涙が伝わった。
「…………。」
弔兵衛もまた、同じように呼吸を繰り返しながら、手のひらを広げると強く握った。
よくなかった体調が回復したのだ。
(…どういうことだ?とりあえず桐馬にもこの女ヤラせるか。)
明らかに良くなった体を振り向かせて、弔兵衛は桐馬を呼んだ。
「桐馬!!」
弔兵衛の声が届くと、すぐに桐馬は顔を出した。
「あ、兄さん。」
桐馬が弔兵衛の背後を見ながら咄嗟に声を出した。
桐馬の視線を追って、弔兵衛は後ろを振り返る。
先程まで横たわっていたはずの孤蘭の姿が無かった。
「…………。」
変わりにあったのは、薄紫色の薄絹の羽衣だけだった。
「大丈夫ですか?兄さん!」
「…ああ、問題ない。」
背後から心配そうな桐馬の声が聞こえたが、弔兵衛はしばらくその薄絹を見ていた。
そして手を伸ばしてその羽衣も掴むと、ビリッと細長く破いた。
桐馬は弔兵衛がなにをしたいのか分からなかったが、彼は破いた布を自分の腰紐に結び付けた。