【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第9章 ✼••┈••✼夫を娶る✼••┈••✼
孤蘭の顔がカァっと熱くなった。
弔兵衛を睨むが、それさえも彼を喜ばせているようだった。
「蓮は私のこと愛しいって…!!」
房中術じゃなくて、愛を確かめる行為だと言ってくれた。
「可愛いって何度もっ…!!」
愛おしい眼差しで何度もそう囁いていた。
あれが愛じゃないのなら、なにを愛と言うのだろう。
そして孤蘭自身のこの気持ちも、家族ではない愛だと確信していた。
「…昔飼っていた犬が可愛かったなぁ…。ちょっと愛でてやれば尻尾振って擦り寄ってきて…。」
孤蘭の全てをバカにしたような口調だった。
孤蘭の目に悔しさでジワっとまた涙が滲んだ。
その孤蘭の様子を見て、弔兵衛は孤蘭を人間だと確信した。
出会った化物はこんなにも感情というものを感じなかったからだ。
言葉が通じ、言葉で傷付くのは人間だけだ。
「っ……もういい…。あなたなんて嫌だ。」
孤蘭はそう言って弔兵衛の手を払って彼に背を向けた。
その細い背中に腕を差し込んで、離れる孤蘭を弔兵衛が抱き締めた。