【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第9章 ✼••┈••✼夫を娶る✼••┈••✼
弔兵衛の頭の中では、瞬時に情報が流れた。
目の前に居る孤蘭は、明らかに先程会った菊花(ジュファ)の仲間だ。
この未開の地で人間離れした容姿、態度、言動。
まだ得られていない情報を確実に持っている。
彼は一時の恥や屈辱、敗北や服従をあえて受け入れ生きてきた。
交渉ごとで不利に立とうと、最後は全部思い通りにことを済ます。
相手が交渉をしてくるのなら、引き受けない選択はない。
「…あぁ、悪かった。話も聞かずに無碍にして。」
弔兵衛はニヤッと笑って交友的な態度を孤蘭に見せた。
悪かった?
「…本当に?」
孤蘭は多少疑いはしたが、先程まで見せていた警戒は解いた。
……御しやすいな…。
子供のような泣き顔で、自分を窺っている孤蘭に、弔兵衛は腹の中で笑った。
(…さっきの攻撃…アイツらと同じだ…。)
弔兵衛はゆっくり歩いて、孤蘭の前に立った。
孤蘭の顎に触れ、掬い上げると目線を絡ませる。
「…まずはお嬢さん…。お前はなんなんだ?」