第7章 確信犯のメガネ。
「うさみに『自分を大切にしろ』って言われてさ。……だったら、俺が一番落ち着ける場所に、お前がいればいいんだって思ったんだわ」
彼はうさみの手に鍵を握り込ませ、その上から大きな手で包み込んだ。
金属の冷たさが、彼の体温ですぐに温まっていく。
「これからは、俺から『次はいつ?』なんて聞かなくていいだろ。……お前が来たい時に来ればいい。俺も、帰りたい時にうさみの家に帰るから」
不器用で、けれどこれ以上ないほどストレートな独占欲。
「全部やる」という極端な言葉を卒業した彼が、うさみと対等に生きていくために差し出した、最高に重くて愛おしい招待状だった。
うさみは握りしめた鍵の感触を確かめ、彼の胸にそっと顔を埋めた。
もう、メガネを置いて寂しさを繋ぎ止める必要なんてない。
「……大切にする。拓人のことも、この鍵も」
「……おう。……明日も早いんだろ。今日はもう、ここで寝なよ」
彼はそう言うと、うさみを抱き寄せたまま、今度こそ穏やかな眠りへと誘うように、優しくその背中を叩いた。
窓の外には、変わらない東京の夜景。
でも、二人の間には、何物にも代えがたい「自分たちの場所」が、確かに完成していた。
end...
ジュリアスタートオプティカル
リムレスもいい
でも
彼の黒縁伊達メガネがたまらなく好きです。