白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】
第17章 ○ 再びの文化祭 ●
「ハッピー緒方ってバレたら大変だし、ゆみちゃんにからかわれるから、来なくていいよ」
今年度の海王高校の文化祭について、星歌はそう言った。
だが、芦原は言う。
「彼氏には来てほしいに決まってますよ。アキラが今年も行きたがっているから、弟弟子の引率ってことで行きましょうよ!」
こうして、緒方、芦原、アキラの3人で文化祭へと足を運ぶことになった。
星歌のクラスの出し物は、猫耳カフェのようだ。まさか、星歌も猫耳を着けているのか…?教室の前で緒方は考える。
「とりあえず、入ってみましょう!」
芦原が入口のカーテンを開けると、星歌の姿が見える。黒のミニワンピースに、フリルたっぷりの白いエプロン、黒猫耳、黒く長いしっぽ、そして首には、鈴付きの真っ赤なリボンチョーカー。まるで、赤い首輪を着けた猫のようで、緒方は既視感を覚える。
「…ミケちゃん…」
思わず声が漏れる。
芦原がニヤリとする。
「緒方さん、猫耳好きなんですか?でも、黒猫なのにミケちゃんって」
「…いや、違う、黒猫のミケちゃんってのがいて…」
「はいはい、アキラがいるから猫耳プレイの続きは家でやってくださいね〜」
「ボ、ボクは…」
中学生のアキラには「猫耳プレイ」の言葉は、少し刺激が強かったようだ。
星歌は3人に気づき、慌てて教室の隅へと行く。1人の女子に耳打ちされて、星歌は大きく首を振っている。…もしかして、あれがゆみちゃんか…?と緒方は思う。
ゆみちゃんと思しきクラスメートに背中を押されるようにして、星歌が緒方たちの前に来る。
「い、いらっしゃいませ…ニャン…」
星歌の頬は赤く、言葉がぎこちない。
「…3…名さま…です…ニャン?」
「そうでーす」
芦原が軽妙に答える。
「お、お席にご案ニャいします…ニャン…」
…星歌が「ニャンニャン」言っている…。特殊な状況に、緒方の鼓動は早まりつつあった。