白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】
第12章 ● 白川のイタズラ ○
数日後、緒方家のリビング。緒方がコーヒーを淹れる間、星歌はスマホで「大人のおもちゃ」について検索をしている。当然、知恵の輪やパズルの類いなど出てくるはずもなく、星歌は首を傾げている。そんな星歌を見て、緒方は声をかける。
「どうした?」
「大人のおもちゃを調べたら、変な形のばっかり出てきたの。どうやって遊ぶんだろう?」
緒方の動きが止まった。これは、そろそろ本当のことを言わないとまずいな…。緒方は決意する。
「…星歌、大人のおもちゃっていうのはスラングみたいなもので。…つまり、…その…性具…のことだ…」
「…せーぐ…?何…?」
…そんな無垢な瞳で「性具」なんて言葉を口にして…と、緒方の心が乱される。
「…せいぐは、性の…玩具…か?」
緒方は言葉を選ぶように説明する。
「…え?」
漢字を理解したことで言葉の意味についても把握したのか、星歌の顔があっという間に真っ赤になる。
「そんな、だって白川先生が…!じゃあ、この画面に出てるのって…」
「白川がふざけたんだ、オレからガツンと言っておくから、もうこのことは忘れろ」
「…もうヤダ、恥ずかしい…。だからみんな、おかしかったんだ…」
「星歌は悪くない、悪いのは白川だ、だから気にするな」
「…うん…」
泣きだしそうな表情の星歌の頭をそっと撫でながら緒方は、白川への怒りを燃やしていた。
当の白川はその頃、フィアンセとのおしゃべりで盛り上がっていた。
「でさ、星歌ちゃんが『大人のおもちゃ屋さんに行ってみよう』なんて言いだすから、もうおかしくて。緒方が怒りだす前に急いで帰ったんだけど、あのときの緒方の顔が最高でさ〜」
「また緒方くんのこと、からかってるの?」
「ラブラブで幸せそうだから、つい、ね〜。緒方はからかうと本当におもしろいんだから」
「まあ、ほどほどにね」
フィアンセは白川に呆れつつも楽しそうに言った。